未来を自分で切り拓くこどもに育つ 広尾・高輪シュタイナーこども園
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0~7歳の間にほぼ完成する脳は、
五感を心地よくフル稼働することで最大化します。
当園では子どもたちが自ら【感じて・動いて・工夫する】毎日を繰り返し、「柔軟に発想し、それを実現していける力」を身につけていきます。
そのために園で大事にしている5つの柱をご紹介します。
こどもにできるだけ早い時期にたくさんのことを教えてあげるとその先も有利に進んでいける・・という親心はとてもわかるところですが、実はそれはこどもの「知って驚いて喜びを得る」という経験をことごとく奪っている行為。
長期的な視点からすると、人生の伸びしろを奪ってしまいかねないと考えています。
「転ばぬ先の杖」は、「転んだら起き上がれない人」を創出してしまい、一歩を踏み出す勇気の芽を摘み取ってしまう。
そう考え、こども自身がそれぞれ発達段階で試行錯誤しながらあそんでいる様子に口出しはしません。
安易に答えを教えたり、失敗しない方法を習得させるのではなく、まずは自分で好奇心から動き、うまくいかなかったり、どうすればいいかを工夫するのをそっと見守ることに徹しています。
このプロセスこそがこどもの手先の器用さを発達させたり、全身のバランスや運動能力を整えたり、深く物事を見たり考えたりする思考力を育てています。
「失敗」や「正解」というジャッジや他のこどもとの比較一切をしませんから、こどもには大人の評価を気にする必要がなくなります。
どこまでも自分を信じるという芯がしっかり育ち、うまくいかなくても挫けない「たくましさ」が身についていきます。
都会で暮らしていても、実は自然をたくさん感じることができます。静かな住宅街に立つ園舎では、雨が降れば雨の音や匂い、風が吹けば木々の葉が揺れる様子、雨上がりの小鳥のさえずり、窓を開けた時に入ってくるそよ風・・は「普段の光景」です。
立地の環境だけでなく、お部屋の中の大きな丸テーブルやこどものイス、おもちゃ棚やおもちゃたち、カーテンや先生のエプロン等もすべて自然素材。しかも手作りのものばかりなので、穏やかさとあたたかみが感じられて、大人でさえ「いつまででも寛いでいられる」場所です。
だからこどもたちは安心して自分の感覚に集中できる。その上、自然素材は多様な触覚体験の宝庫だから体中の感覚器官の触手がどんどん増えて伸びて動き出す。こどもの中の可能性が次々に開かていくのはこういう環境だからこそといえます。
「早く、早く!」と急き立てる日々ではこどもは根っこを深く張ることができなくなり、いつも不安に包まれた状態になってしまってせっかくの自分らしさが出せないままでもったいない。
園ではいつも、こどもが深い呼吸のなかでゆったり心地よく活動できるように、それぞれの自分らしさが十分に羽を広げられるように時間構成を考えています。
この心地よい時間に守られていると、こどもは指示されて動くのではなく、「自分で感じて、動く」という能動的な姿勢を身につけていきます。
園のあそび道具は、「これはこうして遊ぶもの」という制限や正解のないものばかり。何をやっても失敗はなく、それぞれが工夫してどんどん想像力を働かせて遊びが広がっていきます。
おもちゃだけでなく、雨や風、土や水といったものも園ではこどものよきあそび相手。体中の感覚が総動員されて脳に刺激を送り、乳幼児期の脳形成を活性化してくれます。
あそびはこどもにとっては真剣な仕事。大人の余暇的感覚とは全く違う質のもの。
集中力も、運動能力も、人間関係も、自己コントロール力も、すべてはあそびから体得していけるように、環境整備に心を入れています。
食べ物はこどもの体に直接入り込む大事な要素だから厳選しています。こどもの内臓器官がしっかり働くように、調味料はどう選ぶかまで考えています。農薬等を使わずに自然界で自力で育った野菜の味こそが本物の味。それを子ども時代に舌に教えておくと、偽物の味に翻弄されずに済む。すなわち健康を維持し続ける力になっていきます。
「先生、はちみつ変えた?」というような声がこどもから出るほど、いい舌を持つこどもたちです。
欲しいものがすぐ手に入る時代だからこそ、あえて自分たちで「作り」、出来上がるのを「待つ」。
野菜を切ったり、パンやクッキーの粉をこねたり、お茶碗を拭いたり並べたり・・食卓周りの仕事も全部こどもと一緒にやります。床にこぼれたりもしますが、そんなことは大丈夫。お掃除もまたこどもとやればいいだけのことです。
野菜のいろんな感触や切れ味、こねているときのベトベト感などの多様な触感。落とせば割れる食器を大事に布巾で拭くことやコップにお茶を入れるという意外に難しいことも任されたり・・家庭の食事の光景だけではできないことも、園だからこそやらせてあげられるのかもしれません。